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- 作者: 佐野眞一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/09/28
- メディア: 文庫
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書店でなんとなしにタイトルが目に留った。
数年前この事件が報道されていたときに、
被害者のOLの生活をきいて衝撃的だったことを思い出した。
文庫を購入して読んでみると、
容疑者として逮捕されたネパール人に冤罪の疑いがあることも問題になっていると知った。
やや作者の妄想に近い表現が気になるけれど、
揺らぐ司法の立場も書かれていて読みごたえがあったと思う。
事件後、被害者のエリートOLに同情したり共感する女性が少なくなかったらしい。
私も彼女が二重生活に陥ってしまった心理が知りたくて読み始めたけれど、
本当の真相は分からないまま。
もしこの本の中で推測されているように
生い立ちや仕事の挫折などが原因で売春生活を送るようになったとしたら、
共感はできないなあと思う。
精神のバランスがとれなくなるまで無理して自分のプライドにしがみつくのはおかしい。
私は彼女みたいに優秀ではないけれど、
彼女よりはずっと自分のことを客観的にみることができる。
被害者のOLが自分だったかもしれない、なんて考える女性はもっと滑稽だと思う。
いつまで幼稚なままでいるの?と冷ややかに感じてしまう。
不幸ぶるのは他に取り組むことがないからじゃないの?って。