吉行淳之介「目玉」

7篇の短編集。
吉行さんの小説を全部読んではいないのですが、
でもこの人の話は大抵病気がつきものだなあと思います。
その雰囲気が独特ですね。
重くはないけれど、なんだかいつもけだるい感じがつきまとう。
表題作の「目玉」は白内障の手術について語られています。
手術の録画映像や手術中の視覚の描写は、読んでいてひやひやしました。
ちょうど先日私の通っている書道教室の年配の女性の方から、
白内障を患っているという話をきいたところでした。
病気の原因には目の酷使は関係ないようでしたが、
また調べて用心しておかなければなあと思いました。
文学的な感想じゃなくて、実生活に迫ってきた1編でした。


他に、ムショ帰りの男との不思議な関係が書かれた「いのししの肉」が面白かったかな。
「鳩の糞」に篠山紀信さんと本を作ったことが書かれているけれど、
その本のタイトルが分からない。
一緒にヴェニスへ取材に行かれているらしく、気になる本だ。
また調べてみなきゃ。 
と思っていたら、amazonですぐ検索できました。
文庫になっているみたいだし、書店で探してみよう。

目玉

目玉

ヴェニス 光と影 (新潮文庫)

ヴェニス 光と影 (新潮文庫)