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吉阪隆正の方法 浦邸1956 (住まい学大系)

吉阪隆正の方法 浦邸1956 (住まい学大系)


週末に吉阪隆正展を観に行こうと思っているので、
関連した本にあたっておく。
http://www.cis.kit.ac.jp/%7Esiryokan/


吉阪隆正はル・コルビュジェの日本の弟子の一人。
他に前川國男、坂倉準三が居ることも有名ですね。
この本で主に語られているのは、
兵庫県西宮市にある《浦邸》のことでした。
学生時代から社会人になってもずっと身近なところにある夙川なのに、
この家のことは知りませんでした。
1956年竣工され、道路拡張のためオリジナルの庭が失われたものの、
阪神大震災を乗り越え建物は存続。
docomomo100にも選ばれています。
建物内はなかなか見学できないようですが、
外観だけでも近いうちに見に行こうと思っています。


『吉阪隆正の方法』では入念な《浦邸》の設計プロセスが書かれています。
吉阪の留学仲間であり施行主でもある、数学者浦氏との手紙のやりとりが興味深い。
追加工事として庭の塀などを検討するところでは、
浦氏の方から具体的な数字を提示しての提案や注文があって、
それが吉阪側の言及に劣っていない感じがしました。
設計者たちのこだわりも相当なものでしたが、
浦氏も大変熱意がこもっていたようです。
あと吉阪の右腕としてU研究所に所属していた大竹十一という人が
本の中になんども登場しています、
そのあたりも吉阪隆正展で理解を深められるのが楽しみです。