『ゆれる』

http://www.yureru.com/splash.html

《スカイビル》内のシネリーブル梅田へ。
今週、会社帰りのときに立ち寄ると既に立ち見席しか残っていなかった。
なので今朝は念を入れて10時ぐらいに整理券を受け取りに行く。
それでも15:35の回が12番目。
今日も立ち見の方がたくさん。大盛況だった。


チラシの写真に一目惚れしたのが観たくなるきっかけだった。
緑いっぱいの渓谷に吊り橋がかかり、
オダギリジョー香川照之が並んで写っている。
(もちろんストーリーにも惹かれたけど。)
でも実際の映像はそんな清々しさはなく、古臭くて荒っぽいような懐かしい感じ。
そんな雰囲気もすごく波長にあって好きになった。
特に初めのオダギリジョーが東京から故郷へ帰る運転シーンがいい。
かかってる音楽とも相まって、いきなりこの映画の世界に引き込まれた。


今の時点でストーリーについていろいろ書くのはやめておく。
でも見終わったあとの帰り道は、どこか放心状態になっていた。
自分の心の領域に傷跡を残していくような映画が、
私にとっての良い映画なのだと思う。
パンフレットを読んでいると、オダギリさんも香川さんも
ある程度、自分の役に自身を投影させていたらしいけど、
私もお二人の演技を通して、
上手く立ち回れていない自分の内面を突き付けられたような気がした。


他にパンフレットから。
中川美和監督が『ゆれる』で参考にしていたのは太宰治の『駆込み訴へ』だそう。
それを香川さん、オダギリさんも読んでいたらしい。
新潮や岩波の文庫だったら、表題作『走れメロス』に入っている短編。
学生のときに読んでいたけれど、再度また読んでおきたい。
書店でぱらぱらとめくりながら、他に好きだった『女生徒』も入ってることに気付く。


富嶽百景・走れメロス 他八篇 (岩波文庫)

富嶽百景・走れメロス 他八篇 (岩波文庫)






スカイビルの北側に小さな庭園ができていた。
まだ樹木が若いので、これからが楽しみ。