「プラド美術館展」(大阪市立美術館)


映画の整理券を受け取ってから、
上映までなにをしていたかというと、
なかなか行けていなかった美術展のために天王寺へ。

展覧会の内容は、なかなか良かったとは思う。
このあたりの絵画に詳しくないけれど、
有名どころが揃っているようだったし。
スペイン史がかいまみれるのもいいんじゃないのかな。
でも個人的には写実的に描いている肖像画はあまり好みじゃない。
リアルさを追求するあまりに、生気が失われているような気がする。
モデルが悪いのか、作品に深みを読みとれないし、
ときには滑稽な感じさえしてしまう。
そういった見方では、
ベラスケスの「道化ディエゴ・デ・アセド"エル・ブリモ"」で
描かれている道化の表情、佇まいといったものは価値があるように思えた。


スペインでは静物画のことを“ボデゴン”と呼ぶと知った。
展覧会全体からすると点数も少なかったけれど、
むしろ私はこちらの方に迫力を感じた。
一番圧倒されたのは、
サンチェス・コタンの《狩猟の獲物・野菜、果物のあるボデゴン》。
podcastでは他のボデゴン作品、2作が紹介されている。
http://event-yomiuri.cocolog-nifty.com/prado/


それにしてもスペイン絵画は独特な色使い。
会場で澁澤龍彦の『フローラ逍遥』の挿し絵が浮かんだのだけれど、
こっちの方は八坂安守氏が描いてるから、これはただ私の勝手で朧げなイメージ。


フローラ逍遥 (平凡社ライブラリー)

フローラ逍遥 (平凡社ライブラリー)