『This is a time of... S.M.L. yoshitomo nara + “graf ”』

This is a time of... S.M.L. yoshitomo nara + “graf ”

This is a time of... S.M.L. yoshitomo nara + “graf ”


9/30の奈良美智さんの講演でも話されてた《S・M・L》の展覧会の制作現場の写真集。
この《S・M・L》は弘前のAtoZが生まれるきっかけにもなった。
2003年に大阪のgrafで開かれてるんだけど、そのときの私は全然関心を持たず。
でももしそのとき観に行ってもこれほど好きにはならなかったかもしれない。
というのも今年8月まで開かれていたgrafの「tenants展」というのがあって、
これは3つの小屋にいろんなアーティストが月替わりに展示をするものなんだけど、
これがあんまりピンと来なかったから。
簡単そうにみえて、小屋の空間を面白く使いこなすのはなかなか難しいんじゃないかと思った。
実際、弘前で再現されたS部屋は、コンパクトなはずなのに間延びした感じで退屈だった。
一番凝っているM部屋の床は、ベニヤ板をガムテープ貼りしていたらしい。
そういう手抜きに近い粗雑さには寛容になれないので、
もしかしたら2003年に出会ってたら最悪の出会いになっていたのかも…。
人だけじゃなく、建築やアートも出会いのタイミングはとても大事なものなのね。


実際観ることができなかった展覧会だったけど、
写真集で《S・M・L》ができあがっていく風景をみるのは面白い。
特に詳しい解説もないのに、写真を眺めているだけで熱い空気をひしひしと感じる。