「今村源展・連菌術」(伊丹市立美術館+旧岡田家住宅[酒蔵])


Macのことで頭は曇りがちだけど、最終日の展覧会へ。
今村源さんの展示は8月に国立国際美術館の『三人の個展:伊藤存×今村源×須田悦弘』で観ていた。
私の記録を読んでいると、他の2人の作家の印象の方が強かったようだ。
http://d.hatena.ne.jp/syn_chron/20060805


でも今回の展覧会では今村氏の作品にも惹かれるものを感じた。
小規模ではあるけれど、増設を重ねたために複雑な構成になっている本館の地下、
隣接する江戸時代に建てられたという酒蔵、そして美術館の庭園と、
それぞれの空間に寄生しているかのようなインスタレーションが続いていた。
写真にあるような泡のイメージのアルミパイプが既存のブロンズ像や松の木を覆っているさまや、
美術館のガラスをまるで通過しているかのようにみせているものが好き。
他のインスタレーションも静かに息づいている感じがして、
もっと長い時間、空間を共有するかのように鑑賞してみたいなあと思った。
腰掛けるものが用意されていたり、お茶とかでくつろげたりしたらどうかな。
いっそのこと連菌カフェっていうのつくってみたいな。おしゃべり禁止、音楽なしで。


伊丹市立美術館には初めて訪れた。ここは決して立派な見栄えの良いところではないかもしれない。
でも現代美術の作家さんにとっては刺激的な空間にも感じられるんじゃないのかと思える。

デラックス版の展覧会の図録にはDVDが付いていて、
今村氏による作品解説もあるようなので、またじっくりみてみたい。


来年にはここの美術館で彫刻家三沢厚彦さんの巡回展が行われるよう。
どう空間が使われるのかが楽しみ。