鞆の浦へ

syn_chron2007-08-12

旅行1日目。
JR福山駅から瀬戸内海へ向かってバスで30分。
昔ながらの情緒が残る小さな港、鞆港が最初の目的地。
あとから調べて分かったことだけど、宮崎駿さんがこの地を気に入って2ヶ月間滞在され、
'08年公開の『崖の上のポニョ』の構想を得たそう。


でもそんな美しい港町に埋立架橋工事の計画があがっていて、
http://tomonoura-net.jp/plan.html
もし実現すれば同じような光景は見られなくなるだろうと思って出かけてみた。


ぱきっと広がる海と空。この日一番よかった眺め。



小道に白壁が並ぶ。



鞆の浦でぜひまわってみたいと思っていたのが、
江戸時代から残っているという港湾施設5点セット。
http://www.sawasen.jp/tomonoura/annai/indexmap.html
検索すると写真もいくつか見られたけれど、
それらのスケールや位置なんかを自分の身体で感じてみたかった。



〈常夜燈〉
意外とこじんまりしていてかわいらしい。
燈の高さは5.5m、基礎石は3.6m。
この灯台が活躍していた時代に行ってみたくなる。



〈雁木〉
船着場。
潮の干満に関係なく荷下ろしできるよう、階段状になっている。



〈波止〉
〈船番所〉は勘違いして違うものを撮ってた。
波止の付け根の先にある石垣が船番所跡になるのだけれど、
この写真じゃ分かりにくだろうな。
他の旧跡も確認するのがやや大変だったのはサインがなかったから。
でもこれがないからこそ情緒が保たれていたので、
ぜひこのままなにも取り付けないでほしいと思う。



〈焚場(たでば)跡〉が位置すると思われる場所。
潮が引かないとなかなか見られないそう。



常夜燈のすぐ横にあるカフェ。



猫3匹。



散策の終盤、丘になっている鞆城跡から鞆港を眺めてた。
初めに書いた埋立架橋工事の計画によれば、
目の前の港を横断するかたちで道路が建設されることになる。
確かにこの光景が壊されてしまうのは悲しいことだけど、
手前に並ぶ民家の間を行き来する交通も悲惨な状態になっていた。
狭い車道は普通自動車同士でもすれ違うのがやっとで、
歩行者の私も幾度も足を止めることになった。
ここで生活していない私は、ただ傍観者でいるしかない。


これも先に書いたスタジオジプリの『崖の上のポニョ』のことだけど、
ことによればこの映画が鞆の浦の環境を救うことになるのかもしれない。
あまり宮崎駿作品に熱心ではない私だけど、
崖の上のポニョ』と鞆の浦のことは気に留めておこうと思う。