安部良『建築依存症』

建築依存症/Archiholic

建築依存症/Archiholic

読み始めたときはとっつきにくくて、読むのをやめようかとも思ってたけど、
「スカルパを巡る旅」のところでひきこまれていった。
「原っぱの家」と題された項の、
築90年の民家の増改築での施主とのやり取り、
設計施工の進行具合が描かれているのも面白かったし、
建築家の本なのに、バングラデシュでのNPO活動の体験談を読めるとは意外だった。
最後は塚本晋也監督の映画『ヴィタール』の撮影風景がレポートされている。
この映画の舞台に安部さんが設計した家が使われたそう。
ここの章で安部さんは、無機質なものを求める心理、
そしてそこからどう方向転換すべきなのか書かれているようで、
それが今の私にはぐっときた。