佐々木睦朗『FLUX STRUCTURE』

フラックス・ストラクチャー

フラックス・ストラクチャー


難解な感じがしてなかなか手に取れなかった本。
でもさすが佐々木氏だなあと思うのは、
力学とか全然分かってない私なんかでも、大まかな概要は分かるようにまとめられているところ。


読んでいて常に考えてしまうのは、“この現場を私が受け持ったとしたら”ということ。
以前書いたように、私は仮設機材をCADで割り付ける作業をしているのだけれど、
この本に登場する《金沢21世紀美術館》《せんだいメディアテーク》までは自分の仕事としても捉えられる。
(実際《せんだい…》はうちの会社が仕事をとったそう。私の入社前だけど。)
でも《アイランドシティ中央公園》の図面なんてやってきたら頭抱えてしまうだろうな。
それなのに実際施工もされているのだから、現場の方、構造設計の方のレベルの高さに恐れ入ってしまう。
いつか私が関われることがあったら、頭抱えるなんてことなしに、いろんなことを考えて実践したい。


この本で特に感動的だったのは《せんだい…》をサンプルに挙げた実践的構造計画の解説。
伊藤豊雄さんのスケッチから構造デザインを起こす過程は読みごたえあり。
自然の参照として、竹の節やトンボの羽が引用されているところとか。