[book]『タッチストン―大橋晃朗の家具』

タッチストン―大橋晃朗の家具

タッチストン―大橋晃朗の家具

18日までギャラリー間で行われている大橋晃朗の家具展のカタログ。
http://www.toto.co.jp/gallerma/ex060916/index.htm
残念ながら予定がとれなかったので、写真だけでもと思い手に取る。


ひとつひとつ眺めていっても、《ハンナンチェア》が群を抜いてるなあと思った。
表紙にもなっている椅子。私はP130・131のアイボリーが基調になっているものが好き。
そしてこの椅子は布地が自由に選べることが念頭に置かれている。
他の作品も面白いのだけれど、どこかに流行の影響が嗅ぎ取られるような気がしてしまう。
その点、《ハンナンチェア》はそれらを超越してしまっているようにも見えた。


カタログには伊東豊雄さんの解説もいくつか載っていて、
特にP154の「官能と概念の臨界点 ハンナン・チェア以降」を興味深く読んだ。
もちろん大橋さんを讃えるところだからというのもあるけど、
その当時、建築の不自由さに悶々としていた伊東さんに対し、
布を使って自由で伸びやかに椅子作りをされている大橋さんの姿があったことを想像してしまう。
そして今の伊東さんの動きに、きっといくらかはこの椅子たちが影響を与えてるんだとも想像する。