《豊田市美術館》
設計:谷口建築設計研究所
竣工:1995年
今、五十嵐太郎さんの『現代建築に関する16章』を読んでいて、
現代建築に関する16章 〈空間、時間、そして世界〉 (講談社現代新書)
- 作者: 五十嵐太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/11/17
- メディア: 新書
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谷口建築に映像的な効果が用いられていることが言及されています。
全面に広がる池、横長に切り取られた窓など、
谷口建築にかぎらず、よく多用されている手法ですね。
5枚目の写真にあるスロープ横の窓は、常設展示室の途中に思いかけず現れて、
特に効果的に感じました。
見えるのは愛知県地方の殺風景な景色に過ぎないのですが。
(私は豊田市の隣の瀬戸市で育ちました。)
でも豊田市美術館自体はスケールの大きさのためか、
私が今まで観てきた《土門拳記念館》などの美点が弛緩してしまっている印象があり、
豊田市美術館の本館よりも魅力的だったのは、同じ館内で入り口を別にする高橋節郎館でした。
ある特定の作家のためにつくり出す空間こそ谷口建築の真価が発揮されるのかもしれません。
写真には撮れませんでしたが、地下への階段の先にある最初の展示室が特に良かったです。
そして展示の途中で目の前に現れた休憩室の窓。
この美術館は植栽がうまくなされているのも魅力のひとつかもしれません。
金子潤さんやアルナルド・ポモドーロの彫刻もより生き生きしているような。