「GARDENS ガーデンズー小さな秘密の庭へ」展


FRONT《フラワー・ウォールペーパー》


豊田市美術館の企画展。会期終了間近でした。
庭=草花が植えられている敷地のイメージしか想像していなかったのですが、
もっと自由な感覚のインスタレーションが続いていてとても楽しかったです。
特に良かったのは小粥丈晴さんの《泉》という真っ白の彫刻作品。
タイトルのとおり泉を模したオブジェは水で満たされていて、
その水辺の木の幹から雫が滴るようになっていました。
静かにゆっくりと雫が落ちるさまを見つめていると、
その作品が別の時空間を作り出しているのをひしひしと感じるのです。


企画展示室以外にも作品が置かれていて、それは撮影可でした。
会場外にも置かれる→アートが溢れ出すという感じがいいですね。
現代美術の展示はぜひこういった形をとってほしいものです。

ロイス&フランツィスカ・ヴァインベルガー
《トランスポータブル・ガーデン》



FRONT《ガーデン》



レストラン内にFRONTの《アニマル・シングス》が置かれているのを遠くから撮影。
(食事もしたのですが、席からは恥ずかしくて撮れなかったのです。)
今回の展覧会の図録は出品者の過去の作品も紹介されていて、
その一連の流れからGARDENSの解説がなされるというよくできたものでした。
それを読んでいると、今回のFRONTの作品は今ひとつという感想を持ちました。
生命のない造花を使ったものよりも〈ネズミが齧った壁紙〉や〈ハエが飛び回った跡で作ったランプシェード〉のような
動きのある作品《デザイン・バイ・アニマルズ》の方に惹かれます。
その点からすると、栗林隆さんの《Devider》のように、
展示室の仮設壁の間を覗くとアザラシが顔を出しているようなインスタレーションはライブ感があって好きです。
(仮設壁の隙間を使うのは、青木淳さんのUbisも頭に浮かびます。)
栗林さんのアザラシも会場外に出没してました。