野村仁『見る/偶然と必然のフェノメナ』
- 作者: 野村仁
- 出版社/メーカー: 赤々舎
- 発売日: 2006/10/04
- メディア: ハードカバー
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ある方のブログで気になって久しぶりにAXISを買い、
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- 発売日: 2006/12/28
- メディア: 雑誌
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ブックレビューのところでこの作品集が紹介されている記事に目がとまる。
「野村仁」という名前に覚えがあったので、この自分のブログを検索してみると、
去年の11月にこの方の《HEARING》という作品を観ていることが分かった。
まさに備忘録。気になることはメモしておいて良かった。
野村仁さんは関西出身の現代美術作家。
作品は“ひたすら見つめる”という姿勢でつくられている。
ひとは歩きながらでもいろんな方向へ視線を移し、たくさんのものを目で捉えた気持ちになっているけれど、
果たしてそれが「見る」ことになっているといえるのか?
じっと静かに息をこらして待ち続けるからこそ、見えてくるものが作品となって現れていた。
例えば本の表紙にもなっている、魚眼カメラで太陽の軌跡を捉えた写真をみると、
円弧を描きながら移動していると思っていた太陽が、実はまっすぐに動いていたことを知る。
野村さんの作品が良いのは、現代美術にありがちな
「理解できなければ、観なくてもいい」という態度がみえないところだと思う。
自己完結せず、観る者へちゃんと開いている気がする。