「おおさか・元気・能・狂言」(NHK大阪ホール)

大阪府などが主催する恒例の催し。
気軽に古典芸能に触れる機会を!ということで、
格安のチケット料金で文楽や能の舞台を観覧させてくれるもの。
自分のここのブログを検索していたら去年も同じときに観に行っていたよう。
でも今年の方がずっといい席。前から3列目。
いいのかなあ、2千円で野村萬斎さんの舞台を観れてしまった。


演目は狂言六地蔵」、能「泰山府君」。
六地蔵」は以前フェスティバルホールで、
これもまた萬斎さんが出演されているのを観たことがあった。
このときは父・万作氏がすっぱ*1で萬斎さんがその仲間として共演されていて、
今回は萬斎さんがすっぱを演じられていた。
だから同じ演目でもその違いを感じるのが感慨深かったし、
笑いどころも分かっているはずなのに、萬斎さんの所作や語り調子に思わず微笑んでしまう。
狂言の朗らかな笑いってほんとにいいものだ。


能の方も今年の方がしっかり観られたと思う。
泰山府君」という演目は、前半のシテ*2が後半はツレ*3となる特異な構成だそう。
こちらの能にも萬斎さんが花守として登場し、物語の前後をつなぐ語りをされる。
他にも狂言方は冒頭で場面を説明したり、独立した狂言を演じたりするらしいけど、
その役を「間狂言(あいきょうげん)」と呼ぶ。アイと略称する。


といった感じで今年はこんな本も少しかじっておいた。

能・狂言図典

能・狂言図典

でもほんとにこれはほんの数ページのことで、まだまだ知らないことがたくさん。
まとめてががっと知識をつめこむこともできるとは思うけど、
この分野は少しずつ、舞台に触れながら理解を深めていきたい。


会場だったNHKホールのドーム。
あまり好きになれない建物だけれど、ドームからはいつも見入ってしまうんだ。



*1:ぬすっと・かたり

*2:能・狂言の主人公の役

*3:シテに従属し、その演技を助ける者