『ゲルハルト・リヒター写真論/絵画論』

松江からの移動中に読んだ本。

ゲルハルト・リヒター写真論/絵画論

ゲルハルト・リヒター写真論/絵画論

今更って思われてしまいそうだけど、
私のリヒター体験はコレクション展の数点というのを重ねたものに過ぎなくて、
それもほとんどがフォト・ペインティングだったので。
内容はキュレーターや評論家によるインタビューで、
始まりに読むには適切な本ではなかったかもしれない。
作品の意味付けを言語化するのって無意味って思えたり、
でもインタビュアーの強引さが作家の潜在意識を目覚めさせるのかなあとも考えたり、
読むのが苦しくなってくる箇所がいくつか。(特にベンジャミン・ブクローの回!)
巻末の作家自身による日記“NOTES”の方が読んでいて違和感がなかったのだけど。
それでも少しだけリヒターへの理解が広がったのでよかったとしよう。
東側の生活から西へ移った当初のところや他のアーティストへの言及が興味深かった。
《1977年10年18日》('88)は実際の作品をみてみたい。題材の背景も詳しく知りたい。