藤本由紀夫展「関係/relations - Fujimoto Yukio」(和歌山県立近代美術館)

http://www.bijyutu.wakayama-c.ed.jp/exhibition/fujimoto.htm

「聴覚の遠足 2007/FUJIMOTO YUKIO audio picnic 2007」と題された、
今夏の関西3箇所での藤本由紀夫展。
私は西宮大阪ときて、今日3つめの会場に向かうことができた。


美術館の設計は黒川紀章建築都市設計事務所。竣工は1994年。



増殖しているような印象。

ほんとは和歌山城に呼応しているという、特徴的な長い庇を撮るべきだった。
レストランの席からよく見えてたんだけど。


藤本由紀夫展の展示室はふたつ。
まず初めは1階の「FUJIMOTO and」へ。

藤本さんが森村泰昌さんやイチハラヒロコさんらとコラボレーションしたものや、
マルセル・デュシャン稲垣足穂などに触発されて制作した作品が並ぶ。
入って右奥の《THE CREATIVE ACT》という作品の音声が際立って大きく、
他の作品の繊細な音をかき消してしまってたのが残念だったかな。
でもカードリーダーを通して音声を得る《TALKING ICHIHARA》のように、
コラボレートならではの面白さがある作品がみれたのがよかった。


つづいて2階の「ハッピー・コンセプチュアル」へ。
この展示は画家・杉山知子さんとのコラボレーション。

どちらかといえば無機質な感じのする藤本さんの作品に、
カラフルな色合いの杉本さんの絵画やオブジェが加わる。



藤本さんの《THROUGH THE LOOKING GLASS》を通して。
まるで杉本さんの絵に自分が入りこんでしまったような錯覚がして、
前後感覚が曖昧になっていく。



《STARS》たくさんのオルゴールの集合体。



杉山さんの《Light Drawing》
針金のなす影の線が印象的。



藤本さんの《REVOLUTION&GRAVITY(6DICES)》
おなじみのガラスの管が回転する装置。
私はこの装置がきかせるコツ、コツ…という音が好きだ。



会場で閲覧するミニブック。おふたりの言葉が綴られている。
ショップでも販売されていて、これが本展覧会の図録ということになるかな。300円。
手のひらサイズの小さなものだけど、内容は濃い。