doubleNegatives Architecture「Corpora in Si(gh)te (コーポラ・イン・サイト)」

山口情報芸術センターYCAM

今回の山口旅行の一番の目的は、YCAMでの展覧会に行くことでした。
「Corpora in Si(gh)te (コーポラ・イン・サイト)」というインスタレーションは、
YCAMの建物前に広がる広場や屋根にセンサーを配置し、

それが得た環境情報のデータをもとに、架空の構築物が立ち上がるというものです。
展覧会会場の大きなスクリーンにYCAMが映し出され、
それに重なるようにして白線でつながれた物体が刻々と形状を変えていく。
映像のイメージは次のページを参照してください。
http://doublenegatives.jp/


↓芸術センターのHPからも説明文を引用しました。

YCAMの敷地全域に、多数のセンサーを敷設してメッシュネットワークを形成し、リアルタイムの環境情報[気温、明るさ、風向、音・ノイズetc.]を広範囲に収集・集積していきます。そのデータ解析をもとに、特殊な結節法則によって構造化される不可視の建築が、リアルタイムプロセッシングによって館内・野外に生体のように成長または減退しながら生成されます。
この<情報建築体>は情報/建築の各結節点 (ノード) から、自らをノーテーション (空間表記) する知覚ポイントを持つことによって、時間軸に沿って建築全体を多様な形態 (Corpora)へと変容させていく独自の空間認識とシステムを内在します。Corporaは、総体を構築していくシステムとして作動します。環境に生 息するかのような建築のディテールの変化は、館内のいくつかのポイントからAR (オーギュメンテッド・リアリティ) 技術で、実風景にオーバーレイされた映像として、観客に向けて視覚化されます。

でもこの作品、私にとってはどうも捉えどころがなくて、感想も書きづらいものでした。
午後からdoubleNegatives Architecture代表の市川創太さんと、五十嵐太郎さんとの対談があったのですが、
五十嵐さんは建築史を振り返って、今回の作品の位置を探ろうとはなさっていたけれど、
ダイレクトな感想は述べられなかったように思う。
市川さんは現実的な実作もてがけつつ、この作品のようなプロセスを追う手順をインスタレーション化して、
互いにフィードバックさせていきたいとおっしゃっていました。
「super-eye:既存の概念からはずれるための視点」?
なんだかこのもやもやとした感じは直島での石上さんの講演会にも通じるものを感じます。


ホワイエのところに同じシステムで構築されたオブジェも置かれていました。


YCAMに訪れるのは2回目ですが、やっている展示も建物も面白いところです。
(前回↓)
http://d.hatena.ne.jp/syn_chron/20060112#1137072521
http://d.hatena.ne.jp/syn_chron/20060114#1137249733

高校生に占領されちゃってましたが、中庭の読書室がとてもいいです。
彼らの白黒の制服と若さがよく似合っていたのかもしれない。