2008 diary


早々にD−BROSのCREATOR'S DIARYを勇んで買っていたのだけど、
やっぱりデスクトップ用の大きさなので、他に持ち歩くのに良いのはないか探してた。
でもどれを手にしても下手な難癖が頭に浮かんで、これというものは現れず。


ところが今夜ぱっと出てきてくれたのが左の手帳で、
かまわぬ”のてぬぐいが布貼りされている。
他に豆本とか梟柄とかもあったのだけど、私が選んだのはこれ。
中の体裁もフツーだし、どうして今まで見てきたのはだめで、
今日はさっと買えちゃったのかよく分からないのだけど、
年間通してずっと持っていたいものは直感で分かるような気がする。
ビニールのカバーを外してしまった方が、生地の手触りが楽しめるのかな。

連休中に読もう!

最近文芸書のコーナーに立ち寄るのは堀江敏幸さんの本を買い足すときのみ。
村上春樹さんの新刊が出ていることに1ヶ月以上も気付いていなかった。

走ることについて語るときに僕の語ること

走ることについて語るときに僕の語ること


タイトルでも分かるとおり、走ることについてのエッセイのよう。
書き下ろし。


運動が大の苦手な私がジム通いを始めたのは、
村上さんの他のエッセイの文章がきっかけだった。
健康のためではなく、精神的なものと上手くやり合っていくのに必要だと感じさせられたから。
私は村上さんみたいに泳がないし、外でジョギングもしない。
トレッドミルが中心で、時速10キロ前後のランが心地よくなったのは、やっとここ数年のこと。
スポーツ用の下着がなぜ必要なのかも全然知らなくて、
今でも胸の谷間に傷が残っていたりする。


そんな私だけど、自分なりに走るのを楽しんでいる。
悲しかったり悔しかったりするときも、愚痴なんてこぼすより、
好きな音楽を聴きながら走る方がずっと気持ちがいい。
そしてこの本もきっと、私のことを後押ししてくれるだろう。
読み始めたらあっという間に終わってしまいそうなので、週末の移動中のためにとっておく。

BIWAKOビエンナーレ2007(in近江八幡)

先々月末から始まっていたのに、行くのがすっかり遅くなってしまった。
しかもこのあと、カルロ・ザウリ展(京都国立近代美術館)、
狩野永徳展(京都国立博物館)なんて予定も入れていて、全ては回ることができず。
そもそも私はこのビエンナーレに半信半疑なところがあって、
なかなか思い切って足を運ぶ気になれなかった。
でも実際訪れると八幡堀周辺の古い町並みが残る土地の美しさに驚いてしまい、
そしてその空間に点在するインスタレーションにも惹かれるものがいくつも見付かる。
再来年はもっと時間をかけてまわりたいと思った。


気になったものをいくつか。


〈旧吉田邸〉

井上信太さんの作品。最初にみたのがこれ。
家屋の中の空間をきっちりとつくり込んでいて、ここでビエンナーレへの期待値がすっかり高まる。


〈喜多利邸〉

八幡堀のほとりにある喜多利邸では、全体的に質の高い作品が集まっていた。
この中でも特に印象的だったのが小板橋慶子さんの作品。
彼女の故郷の群馬が繭の産地であるそう。


〈カネ吉別邸〉

市川平さんの作品。部屋いっぱいの大きさの金属のオブジェ。
この作品はゆっくりと回転するのだけれど、独特の機械音が静かな空間に響いているのも良かった。



中庭。どの方の作品か確認できず。



石田智子さんの作品。
閉め切った納屋の中、静謐な雰囲気。高い位置にひとつきりの小窓。



中川佳宣さんの作品。


〈旧伴家住宅〉

チェ・ウラムさんの作品。開いたり閉じたりする。
今回の目玉のはずなんだけど、私は以前似た作品を観たことがあるせいか、あまり感慨は起こらず。

それに今回のような企画の場合は、どう場と向き合っていくかが大事なのだと思うのだけれど、
例えば3月から〈喜多利邸〉に住んで制作していた小板橋さんなんかは、
そんなところも効いていたんじゃないかと感じた。

だれの設計でしょう?

id:kubota_staffさんに教えていただいたのですが、
D&DEPARTMENTが運営されている「ディータス」というブログで、
都道府県別に、その土地に関する記事を集める特集が毎週組まれています。
トラックバックに参加したからといってどうということもないかもしれません。
(現に参加者はとても少ない)
でも私はこのブログの主旨と同じく、
いつかどこかでだれかの行動のきっかけになればいいなあと思って、
せこせことtbすることにしました。
(青森のときはid:hiratsukamさん、ありがとうございました)


ということで、今週は山形の記事です。
特に好きだったところを2件送ってみました。
でもここのブログにも書きそびれていたところで、
記憶に残るところがひとつあることも思い出していました。


当然入るのは不可だろうなあと思いながら建物の外観を撮っていたときでした。
重苦しい空から雨が降ってきました。
傘も持たずにでかけていた私は、向かいのガレージの屋根下から撮影を続けていたのです。
そこにその建物の主(管理者とか責任者とする方が正しいかも)が帰って来られ、
私の存在を見付けて「あがれ、あがれ」と声をかけてくださったのでした。
別の事務の方に建物の不便なところをおききしたり、
設計者の意図とは違う使われ方をされてるだろう場所を目にしたり、
中へおじゃましたからこそ面白い見方ができました。
特に注意はなかったのですが、御厚意を損なうような気がして写真を載せていなかったのです。
でもやっぱり建物名を伏せて出してみようと思います。
多分、建築好きにはすぐ分かっちゃいそうですね。







山形には素晴らしい近代建築も残っている。



《文翔館》



山形市郷土館》

今日は本・本・本

気になった本が見つかっても、やっぱり今度にしようかなとか、
一読するだけなら図書館でもいいかなとか、
未読の本がたまっていることもあって躊躇してしまうことがしばしば。
それに出版社のHPやBlogをチェックしてると、書店を訪れる前にある程度情報が入ってくるのです。

でも今日は久々に建築関係の書棚で「わお」と思ってしまったのでした。

建築について話してみよう

建築について話してみよう

最近情報収集してなかったし、ブックマークしていない王国社からの刊行だったせいなのかもしれませんが、
全然「気配」を感じていませんでした。
巻末をみたら発行は先月末だったので、書店でもずっと目に入らなかったのでしょう。
その場でぱっと熱くなって、勢いで気になっていた他の本も購入。
昨晩こちらで紹介していただいた本ももちろん。
Pen (ペン) 2007年 11/1号 [雑誌] 内藤廣対談集―複眼思考の建築論 パパズ ホテル 日本(ジャパン) 家族で行く! とっておきの旅ガイド



帰宅の車内の中で、早速西沢さんの本を読み始める。
確か「CasaBRUTUS」や『卒業設計で…』のインタビューなんかでも読んだ学生時代のエピソードで始まるのだけど、
素直にわくわくして気持ちはまだまだ高揚気味。
しばらく予約を迷っていた本を注文することにしました。
Amazonではまだ登録されていない書籍で、アセテートというところから出版される『川合健二マニュアル』。
http://www.acetate-ed.net/bookdata/008/008.html
大島哲蔵さんの本の表紙にあったコルゲート建築が、藤森さんの『原・現代住宅再見』でつながって、
もっと詳しく知りたいと思っていた方だったのです。
一緒に『ピラネージ建築論』も注文。
ピラネージは今読んでいる磯崎×五十嵐の建築談議にも登場していて、参照しておきたくなりました。
今夜は頭から文字があふれそうな感じ。ちいさな容量ですね。

CasaBRUTUS(カ-サブル-タス) 2016年 2月号 卒業設計で考えたこと。そしていま (建築文化シナジー)
スクウォッター―建築×本×アート 藤森照信の原・現代住宅再見〈2〉 ヴィッラ・アドリアーナ ローマ時代 (磯崎新の建築談議 03)

「Corpora in Si(gh)te」laptop sound concert

上記の展覧会に関連したライブにも行ってきた。
出演はThe Cellular Automaton Band[久保田晃弘+市川創太]、
澤井妙治、久保田晃弘+比嘉 了、柳澤真梨奈。
比嘉 了さんはdoubleNegatives Architectureにも参加され、
YCAMにも別の作品「VP3L」を出品されている。

会場内のMacでもそのプログラムが実際に体験できた。


すごく衝撃を受けたのは澤井妙治さん。
HPの「works/sounds」から開けることができるmp3で、
(ここへのリンクの仕方が分からない)
「BBBB」という曲で始まったのだと思うのだけれど、
ノイズが私の耳朶や鼓膜のところで擦れ合っているのを感じる。
そんな耳元の音を捉えつつ、確かに向こうのスピーカーで鳴っている音も把握できて、
その立体的なつくりにびっくり。ときどき耳を塞いでしまうような金属音もあったり。
これは音響の効果もあるので、ライブじゃないとなかなか体感できないことだろうなあと思った。
(演奏は「erty」「losi」と続いたんだと記憶してる。
losiはmp3で聴いていてもノイジーさがよく伝わってくるなあ。)

最後のパフォーマンスのような演奏と同じ映像を見付けたので貼付けておく。




ライブには関係ないけど、こちらのきれいな感じも好き。
Walkman radio commercialってなんだろう?出自が知りたいです。


ACOさんという方とコラボもされているそう。

doubleNegatives Architecture「Corpora in Si(gh)te (コーポラ・イン・サイト)」

山口情報芸術センターYCAM

今回の山口旅行の一番の目的は、YCAMでの展覧会に行くことでした。
「Corpora in Si(gh)te (コーポラ・イン・サイト)」というインスタレーションは、
YCAMの建物前に広がる広場や屋根にセンサーを配置し、

それが得た環境情報のデータをもとに、架空の構築物が立ち上がるというものです。
展覧会会場の大きなスクリーンにYCAMが映し出され、
それに重なるようにして白線でつながれた物体が刻々と形状を変えていく。
映像のイメージは次のページを参照してください。
http://doublenegatives.jp/


↓芸術センターのHPからも説明文を引用しました。

YCAMの敷地全域に、多数のセンサーを敷設してメッシュネットワークを形成し、リアルタイムの環境情報[気温、明るさ、風向、音・ノイズetc.]を広範囲に収集・集積していきます。そのデータ解析をもとに、特殊な結節法則によって構造化される不可視の建築が、リアルタイムプロセッシングによって館内・野外に生体のように成長または減退しながら生成されます。
この<情報建築体>は情報/建築の各結節点 (ノード) から、自らをノーテーション (空間表記) する知覚ポイントを持つことによって、時間軸に沿って建築全体を多様な形態 (Corpora)へと変容させていく独自の空間認識とシステムを内在します。Corporaは、総体を構築していくシステムとして作動します。環境に生 息するかのような建築のディテールの変化は、館内のいくつかのポイントからAR (オーギュメンテッド・リアリティ) 技術で、実風景にオーバーレイされた映像として、観客に向けて視覚化されます。

でもこの作品、私にとってはどうも捉えどころがなくて、感想も書きづらいものでした。
午後からdoubleNegatives Architecture代表の市川創太さんと、五十嵐太郎さんとの対談があったのですが、
五十嵐さんは建築史を振り返って、今回の作品の位置を探ろうとはなさっていたけれど、
ダイレクトな感想は述べられなかったように思う。
市川さんは現実的な実作もてがけつつ、この作品のようなプロセスを追う手順をインスタレーション化して、
互いにフィードバックさせていきたいとおっしゃっていました。
「super-eye:既存の概念からはずれるための視点」?
なんだかこのもやもやとした感じは直島での石上さんの講演会にも通じるものを感じます。


ホワイエのところに同じシステムで構築されたオブジェも置かれていました。


YCAMに訪れるのは2回目ですが、やっている展示も建物も面白いところです。
(前回↓)
http://d.hatena.ne.jp/syn_chron/20060112#1137072521
http://d.hatena.ne.jp/syn_chron/20060114#1137249733

高校生に占領されちゃってましたが、中庭の読書室がとてもいいです。
彼らの白黒の制服と若さがよく似合っていたのかもしれない。